大和シルフィード株式会社第3期決算報告

いつも大和シルフィードへのご声援、ご支援をありがとうございます。

この度、大和シルフィード株式会社定時株主総会にて、第3期(2022年7月1日〜2023年6月30日)の決算報告が行われ、承認されましたので下記の通りご報告をさせて頂きます。

 

■業績ハイライト

売上高72,046千円(前期比:118%)

営業利益282千円(前期差:-1,608千円)

経常利益304千円(前期差:-1,194千円)

 

第3期は、売上高を前期比118%へと高め、2期連続での黒字着地となりました。

目指すべきプロ化の頂からすると、まだまだここから倍近くの経営規模へ成長が求められる状況ではありますが、それでもコロナ禍という環境において、地道な歩幅ではありますが確かな成長を果たせていることは、日頃よりクラブを支えて頂いているファン、サポーター、パートナー企業によるサポートあってのことであり、そして共に闘っている選手、指導者、クラブスタッフ全員の力によるものだと思います。

改めてクラブを代表し、心より御礼を申し上げます。

 

■事業面

売上高を押し上げた大きな要因の一つは、多様な形でクラブをご支援いただいているオフィシャルパートナーの増加であり、現在47社(昨年比:127%)の皆さまから力強くサポートをして頂いています。同時に、各企業では選手の雇用でもご協力を頂いており、特に今シーズンからはトップチームのトレーニングをグラウンド確保が容易な午前中へと移行した中で、雇用継続や新規採用を受け入れて頂き何よりの後押しとなっております。

また、クラブがご提供する価値についても、スタジアムや選手を通じたもののみならず、例えばヘルスケアに関するセミナーの実施や、ストレッチ/ヨガ講座の実施など、社内の健康経営を促進するお手伝いをさせていただく場面も少しずつ増えてきており、パートナー増加へと繋がっています。

一方で、今季はなでしこリーグ1部へと昇格したにも関わらず、ユニフォームの鎖骨2箇所、そしてパンツ2箇所へのパートナー出稿がないままの開幕となってしまいました。この点は、大きな反省点であり、24シーズンに向けての営業体制、提供価値の見直しを進めると共に、より一層、営業活動を充実させていく予定です。

 

入場料収入については、6/18のニッパツ横浜FCシーガルズ戦において、有料試合としてはクラブ初となる1,000人以上のご来場を達成することができました。大和なでしこスタジアムがオレンジで埋まる景色は、忘れることのできない素晴らしいものでした。今シーズンは、ホーム開幕戦から冷たい雨に降られ、天候不順の試合が続きましたが、それでも7/2の試合終了時点で累計で3,490人、平均436人の方々にご来場を頂いており、これはなでしこリーグ1部でも4位に位置する数字です。今後は、1,000人超えを一つの基準に、そのレベルを平均化していくことを当面の目標として、各種プロモーショーンやコミュニケーションを強化していければと思っています。

 

■ホームタウン/社会連携

今季は、世の中がコロナ禍からの落ち着きをみせるのと並行して、リアルでのイベントやコラボレーションも増えて行きました。

大和市商工会議所様、大和田園ロータリークラブ様との連携加速をはじめ、J:COMでの応援番組「シルフィードちゃんねる」がスタート。シリウスでの「選手による絵本読み聞かせ」イベント、高座渋谷商店会での大和シルフィードフラッグの掲出(60本)、大和市立下福田小学校での総合的な学習の時間での大和シルフィード教材化、神奈川県立スポーツセンターでのパラスポーツ教室の実施など、引き続きクラブが地域へ元気を届ける存在であるために、様々な切り口で地域密着、地域共創を実現していければと考えています。

また、プレーアカデミーWITH大坂なおみからの助成事業である「Girls Empowerment Project」は昨シーズンから継続して実施をしており、引き続き7歳から14歳の女の子を中心に、スポーツを通じたエンパワーメントを具現化して参ります。

 

■フットボール

2022シーズンは、なでしこリーグ2部を3位フィニッシュ、1部昇格を達成することができました。同時に、クラブでのプロ1号となった濱本まりん選手がMVP&得点王を獲得したことは非常に大きなインパクトとなりました。しかし、なでしこリーグ1部で迎えた2023シーズンは、高い強度の試合の中で狙いや強みをうまく発揮できない時間帯も多く、大量失点の試合もありました。7月には、極めて苦しい決断ではありましたが、これまでクラブにおけるフットボールのスタイルを共につくってきてくれた高橋和幸氏が退任し、新たに沖山雅彦新監督、八鍬晶子新コーチを招聘いたしました。

これまで積み上げてきた、ボールを大切に試合を支配しようとすること、意図的に相手を崩すこと、何より主体性を保ちながらフットボールの楽しさやワクワクを表現すること、そうした良さや強みを失わずに、どのような場面や時間帯で発揮するのか、発揮することで生じるリスクを軽減させるか、そうしたことを中心に中断期間での立て直しをはかっています。中断明けとなった8/27の静岡SUUボニータ戦は、今シーズン初めてのクリーンシート勝利となりましたが、まだまだ厳しい戦いが続きます。クラブ一丸となって、1部残留を果たしたいと思います。

 

またアカデミーでは、4月からU-15に能代谷恵新監督を招聘しました。これでU-18の川辺学監督、U-15の能代谷恵、共になでしこリーグトップチームでの指導経験者が揃うこととなりました。

トップ、U-18、U-15が一貫したフットボール観のもと、クラブの全スタッフが日々子どもたちと向き合い、何よりも子どもが安全に、安心して大好きなサッカーを長く続けていくことができるように、アカデミーのレベルアップも進めて行きたいと考えてます。

 

■最後に

大和シルフィードではこれまで過去2年間にわたり、WEリーグへの参入申請をチャレンジしてきました。

(今年は残念ながら募集の実施はありません)

いずれも結果は見送りとなったわけですが、その理由でもあるWEリーグ参入への「ハードル」は、まずは所属する選手の15名以上をプロ契約にできるだけの財務強化が必要という点、加えて、プロ基準(5,000席の観客席など)を満たしたスタジアムの80%確保という点、大きくはこの2つがあります。

前者の財務規模については、日々の営業活動やIR含めたクラブの価値を最大化していくことに尽きるのですが、後者のスタジアム確保は我々の企業努力だけでは乗り越えることができません。

過去2回の申請に際しては、当然ながらホームタウンである大和市へも、可能な範囲でのご協力のご相談を重ねてきたと同時に、WEリーグ参入条件を満たすためという目的のもと、例えば日産自動車様とのパートナー契約を通じた日産スタジアムでの試合開催(昨年1試合を実現)や、神奈川県内で基準を満たしたスタジアムを保有する各自治体との交渉などを進めてきました。

その結果として今年1月にJ1の湘南ベルマーレとの業務提携を発表、レモンガススタジアム平塚の共同使用(今シーズン1試合を実現)という可能性を得るに至りました。プロ基準を満たしたスタジアムの共同利用、そして何より、クラブやカテゴリーや地域の枠を超えて、共に神奈川県内の女子サッカーの普及、強化に協力していくことが提携の変わらぬ主旨ですので、ご理解を賜りましたら幸いです。

 

 

この度の決算報告にも記載の通り、株式会社創立後3期(2.5年)の間、本当に多くのファン、サポーター、そしてパートナー企業の皆さまが、大和シルフィードが目指す未来に共感してくださり、共に闘う仲間の輪が年々、日々、拡がってきていることを強く感じます。

WEリーグヘの参入の可否に関わらず、「スポーツや女子サッカーの力で、社会、地域、企業、女性を元気にする」というミッションのもと、これからもホームタウン大和市を中心としてプロ化を進めていく覚悟です。

引き続きのご支援、ご声援を、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

大和シルフィード株式会社

代表取締役社長

大多和亮介